このブログはフィクションです。ご想像にお任せ致します。
刻々と近づく再渡仏。複雑な思いを抱いたまま一日一日を過ごす。
時間だけは確実に過ぎていく。さあ腹をくくろう。
いよいよ明日に迫る。日本最後の夜。
持てるだけの食料と生活必需品をスーツケースに詰め込む。準備万端。
が、
もう一度コンビニに行っておこう。意味も無いのに落ち着かない。先の事ばかり考えてしまうが、答えは出ない。家探しに、職探し、ビビる。
迎えた当日、成田よりパリへ。つくづく思うが飛行機ほど、一人で乗って虚しい物はない。何とか気持ちを落ち着かせ、到着の時を待つ。思い起こせば一年前、ろくに機内食ものどを通らなかった。でも、今はビールを頼む余裕がある。少しは成長したのか。
12時間後、独特の香り、ああフランスだ。
飛行機を下りてからものの2時間と少しパリ市内着。
何でもそうだが、分かっていればさもない。空港からパリ市内。当たり前。
ただ、自分で選び、選択し進む。本当に分からなかった。一年前。半日かけて模索し進んだ事を思い出す。
さて、問題はここから。
日本に一時帰国する際に、又使うであろう荷物を預けた最初の店で知り合った先輩に、最初の一週間程、いそうろうさせて頂く約束をしていた。もちろん、ただではないが大分助かる。とてつもなく有難い。
さてさて、部屋探し、と言ってもどうすれば。日本人相手の不動産屋も沢山あるが、法外な手数料が掛かるだろう。お金をかけず部屋を探す。
代表的なのは、日本人向けに発行されている現地情報誌。色々なニュースや求人情報、賃貸物件情報などが記載されていて、頼りになる。ただ、当然良い物件は直ぐに決まってしまう。月2回発行、次回を待とう。
そして、パリのオアシス、ブックオフ。パリにあってここだけは日本。時を忘れられる空間だ。ここにアノンス、いわゆる掲示板があり様々なアノンスが貼られている。
空き部屋有ります。〇区500ユーロ 18㎡ M(メトロ)〇番線 〇〇〇駅近く
など、時と場合によるが足繁く通い良い物件を探す。日本食のスーパーなどにもアノンスがある所もあるので、片っ端から見て回る。
ただ、分かってはいるが、そう甘くは無い。数日経ち焦りも出始めた頃、日本人向け情報紙オブニーが発行された。直ぐに物件情報を確認する。パリ3区580ユーロ少し高いが、部屋を見せてもらえるなら、より多くの部屋を見せてもらうべきとのアドバイスもあり電話をする。
果たしてつながるのか。
勇気を振り絞り電話をする。
相手:アロー?
自分:あっもしもし。
相手:あーもしもし。
現地日本人と電話をするとこんな具合。最初はアロー?
言わゆるハロー。しかし、日本語の通じる人なら、もしもしと言えばもしもしと返してくれる。良かった言葉が通じる。聞けばまだ借りては見つかっていないらしい。直ぐにでも部屋を見せて頂く約束を取り付ける。
家賃580€ 当時1€=150円位 580×150 おおよそ87,000円 んー高い。考えてみれば東京と同じ、致し方なないのか。
ただ、フランスにはアロカシオンと言う制度(住宅補助)があり学生ビザの自分も対象となる。人によって差があるが家賃の3/1程度支給される。銀行口座に入金される為、口座を作る必要がある。又も頭が痛い。
何はともあれ部屋を見せてもらおう。良い大家さんである事を願う。