このブログはフィクションです。ご想像にお任せ致します。
何となくではあるが、仕事にも慣れはじめる。
もちろん作り方の違いや、道具、材料など初めての事も多いが、大まかにはお菓子作りの流れは同じだ。
基本、言われてもよく分からないので言われる前に動く。雑用を引き受け進んでやる。
働ける事が嬉しかった。1日1日大変だけど何だろう日本で働いていた時にはあまり感じた事のない充実感は。
帰り道、セーヌ川沿いを自転車で帰る。
観光客でいっぱいの遊覧船、旅行者ではない立場と孤独感が漂う気持ちの中で今夜は何を食べよう。限られた資金の中どう生きようかよく考えていたものだ。
そして、のらりくらり給料日、今までは現金支給。
が、流石、パリ、ジャン=ポール・エヴァン
小切手。
400ユーロ(日本円で5万円程)
見なれない紙切れを渡され、さてどうしたものか。
だが、ここでパリに住みはじめた頃、電気代等の支払いの為必死に開設した銀行口座が、役に立つ。
日本でも小切手の手続きなどしたことが無く、又新たな試練か、と思いつつも恐る恐る銀行窓口で差し出す。
学生ビザを提示しあっさり受理。後日、口座に振り込まれた。
何をするにも気を使う。
後日、無事お金が振り込まれたから良いようなもののドキドキだ。
嫌でも身につくポジティブ精神。
月に1度のささやかな楽しみは、給料日にはオペラ界隈の日本人街にあるラーメン屋に行く。自分にとっては高級品のラーメン(8ユーロ、1,000円位)をすすり、帰りに韓国系食材スーパーに立ちより紙パックの芋焼酎1.8L(12ユーロ1,500円位)を買い。満足げに帰路につく。
今思えば、この芋焼酎どこのメーカーの物かもよく分からず、くそ安く何が入っていたのかw
パリで純正の日本酒や焼酎など売ってはいるがなかなかお高い💦日本で買うときの3倍位はするだろう。
ワインだったら、フルボトルでも100円しないで買える物もある。
ただ、あの頃はそんな物でも焼酎が貴重で酒好きの自分には褒美だった(^^*)
気がつけば30回、お付き合い頂きありがとうございます!
このブログはフィクションです。ご想像にお任せ致します。
見よう見まねの、朝仕上げの作業も終わりかけた朝9:00黒人のおっちゃんが出勤して来る。
よく分からないが、従業員?
慣れた手つきでシンクにお湯を溜める。
見れば脇には洗い物がズラリ。いわゆる皿洗い。
ここからは自分の勝手な見立てではあるが、いっけん自由で平等の様に思える世の中だがやはり差別は存在する。
日本ではあまり感じにくい感情ではあるが、ゴミ収集や洗い場、俗に言う汚い仕事は黒人の人が多いと感じる。
後にレストランで働く事になるが、そこでも洗い場は黒人の人だった。
そして従業員もどこか冷たい。
彼は彼らでまた、独特の世界観をもつ。ある時厨房の裏で偶然見かけた。
ある一定の時間になると、絨毯を広げ祈りだす。
テレビでしか見たことのない光景だった。
何教なのかよく分からないが特異な人達だった。
今テレビをつければ、毎日の様に空港に押し寄せ、飛行機にしがみつく人々のニュースを目にする。遠い国の出来事でしか今の日本人には思えない。
すみません。自分の勝手な憶測です。
あの時、洗い場にいた黒人のおっちゃんも人種的には同じ感じを受ける、国を追われ仕方無くこの仕事にたどり着いたのか、結局は弱い立場に置かれる。
フランスは色んな民族が混在していて、それぞれの文化、風習、リスペクトして見れば素晴らしい調和の様にも思えるが、一緒にやって行くのは大変。
でもだからこそ、みんな一生懸命生きてる気がする。
また勉強になった。