このブログはフィクションです。ご想像にお任せします。
寝床も確保し、さてさてどこへ行こう。
いよいよ明日は最終日、パリに居るときは日本に帰りたくてしかたなかった。
今は、早いとこパリ、自分の部屋に帰りたい。
少しは大人になったのか。
ぶらりとテムズ川沿いを歩く。
時計の塔、おーあれがビッグベンか。左手にはデカい観覧車がある。
右に抜けると、バッキンガム宮殿。
テレビで見かける光景が広がる。きっと色々観光名所があるのだろう。
そこはヤローのボッチ旅。ビッグベン裏の公園の芝生で寝そべる。
テムズ川を渡り、観覧車の近くへ。時はバカンスシーズン大勢の人達で賑わっている。
大道芸、ある一定のポーズで止まっている人達。
コインを投げ入れる余裕もなく横目で立ち去る。
ロンドン、パリと東京が入り混じるイメージ。
1度行きたかったストーンヘンジ、3泊4日のボッチ旅少々長すぎた。
あくる日、お昼のユーロスターにて帰国。?
意気揚々と駅へ。途中、土産物屋が軒を連ねる。
日本に居る家族に次の宅急便で何かお土産を贈ろう。
何でもよかった、ふと目にとまったユニオンジャック柄のお菓子の缶。
手の平サイズ、大きさも手頃で賞味期限も長い。
よく分からないがイギリス感もあり、よしこれにしよう。
駅に着くと、出国審査があった。そうかこれからユーロ圏、手荷物をX線検査へ出すよう求められる。パスポートを提示し金属探知機をくぐる。
あれ?荷物が出てこない?
ちょっとこっちへこいと。
さほど何を言われているのか分からないが、怪しい物は持っていない。
すると係員がバッグの中の四角い缶を指差している。
あーさっき買ったお土産の缶。まじか。
時はアメリカ同時多発テロ事件から数年。
ヤローの一人旅、手荷物一つでロンドンからパリへ。
怪しい。とでも思われたのか。
バックを開け中身を見せようと手をかける。
すると、ウエイト!ウエイト!
触るなと、これは何だと?と
お土産と言う単語が思い浮かばす。
あっレシートがある。あれを見せよう。
後ろのポッケトから財布を取りだそうと手を回した瞬間。
又もウエイトウエイト!
アメリカ映画でよく見かける警官が銃を取り出すあのシーンにでも見えたのか。
トホホ。
結局、その係員が見ずから取り出す。
フード? イエス。
黙って荷物を渡され終了。
そんな軽い爆弾あるか?
言葉が分かれば文句の一つも言いたいとこだが、我慢。
ようやく、通過することが出来た。
今でこそ笑い話だが、自分の中では渡仏中の大事件の一つで、日本では感じた事の無い殺伐とした空気感。自由とは何か。色々、色々考えさせられる。