LA PORTE D’OR

店主のブログ〜

オカシナタビ 13 クリスマス

2017.07.17

このブログはフィクションです。ご想像にお任せ致します。

良くも悪くも、ここプロエルメルのブーランジェリーパティスリーで渡仏後初めてのクリスマスを迎える事となる。

当日、朝2時出勤。が同僚のミカエルが来ない。3時過ぎようやくの出勤。するとここでまさかの出来事が起こる。警官が2人続けて入って来るではないか。ついに、来るべき時が来た終演。強制送還か・・・。就労ビザなど無い。

シェフと何やら話している。真剣な表情だ。ヤバイ・・・。この隙にトイレの窓から逃げるべきか、部屋に戻れば張られているかもしれない。このままパリまで出れば何とかなるか。いやバス停もヤバイだろう。気分はハリソン・フォード、ダム底に飛び込みたい位だ。短時間で様々な事が頭をよぎる。

よりにもよって、クリスマス・・・。

恐る恐る、隙間から厨房を伺う。すると、シェフと警官が万遍の笑みで話しているではないか???

後から聞けば、遅刻のミカエルが黒いパーカーでフードをかぶり猛ダッシュしていた所を警官に怪しまれ、後を追って来たらしい。おいおいミカエル。寿命がちちんだぜ。

そんな、こんなでクリスマスイブも無事終了。

そして、クリスマス。朝2時に出勤しひたすら作る。日本では当たり前の様に徹夜に突然する流れだが、なんせフランスで初めてのクリスマス勝手が分からない。17時を過ぎた頃かオーナーが、シャンパン片手に現れる。

ポン!グラスを手渡され飲めと(笑)マジ?苦笑いで見返すとウインク。隣にある、イタリアンレストランからピザが届く。皆でつつき、飲む。日本では有り得ない光景だがいつもの事らしい。酔っぱらったシェフが「ユウ(自分)飲め!」とシャンパンを注いでくれる。調子に乗って飲む。

楽しむ事を忘れない人達。本当、可愛がってもらったと思う。

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