LA PORTE D’OR

店主のブログ〜

オカシナタビ 20 覚悟

2020.06.12

このブログはフィクションです。ご想像にお任せ致します。

言葉。

まず頭に浮かぶのが定番の駅前留学。

イーオンにノヴァそんな高価な所に通える訳もなく本屋さんで会話集を買う。

仮にも1年やり過ごした。だからこそ分かっている、分厚い言葉の壁。数字は何とか覚えた。いざ働くと、例えば卵を割ってくれと何となく言われているのはジェスチャーなどで伝わるが10個??なのか20個??なのか重要なポイントだけに困る。必死で覚えた。

よく言われる、1年もいれば少しは喋れるんでしょ?

申し訳ない位に分からない。謙遜などしていない。見よう見まねシェフに言われる前に動く。言われても分かりません(^^;)

基本、誰よりも早く出勤し雑務をこなす。出来る準備を進め与えられた職務をこなす。幸運な事に仲間には恵まれ、シェフ一家にも可愛がってもらえた。言葉が出来ればどんなに素晴らしいだろう。さて、どうしたものか。

ここで一つの情報が飛び込む。

母の、知り合いの知り合いがフランス語が出来るらしい。藁にもすがる思いでレッスンをお願いする。良心的な価格で心良く引き受けて頂けた。再び渡仏するわずかな時間だがかなり有難い経験となった。

フランスにいた頃、フランス語の講座に通った事もあったが初心者コースと言えど当たり前の事だが、初めからフランス人講師、フランス語しか聞こえてこない、何が何だかさっぱり😂

夕方~夜にかけてのアルバイトと週1~2回のフランス語レッスン。

半月経った位か、フランス大使館より学生ビザの申請が受理された。さあいよいよ帰路の準備に取りかかる。嬉しい気持ちと、又あの生活に戻るのか。非常に複雑。自分で決めたことなのに・・・。

ただ、今の自分はただのフリーター。実家にいても母から、皿ぐらい洗え。と尻を叩かれ居場所も無い。まあ母の優しさでもあるが、肩身が狭い。

よし、行こう。

 

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