このブログはフィクションです。ご想像にお任せ致します。
過ぎれば早いもので季節は夏えと向かい、聞けば来月バカンス休暇があるらしい。
日本では馴染みの薄い言葉だが、フランス人はバカンスの為に働く。
2週間休みが貰えるらしい。もちろん給料も出る。
よし、日本へ帰ろう!
なんて訳もなく金もなく。さて、どうしよう。バイトでも探すか。
色々、色々考えた結果、よし、イギリス、ロンドンへ行ってみよう。
パリからユーロスター、高速鉄道が出ている。幸い家から程近いパリ北駅、ここから発着しているらしい。
さて、何泊するか、日帰りでも行けなくはないがせっかくのロンドン。もう来ることもないかもしれない、ここは思いきって3泊4日の旅に出よう。時間はある。
しかし、後々この安易な選択が裏目に出る。
まず最初の難関、往復の切符を購入する。日にちや、曜日、時間帯、座席のクラス、様々な条件で値段が変わる。必要事項を紙に書き込み窓口へ。
もちろん、1番安い切符を探す。何とか購入。
食べ物のメニュー表なる物を見せられ説明されるが案の定、訳分からず。
恐らく、注文しておけば食事も出るよ。と言っているのだろう。
ドーバー海峡を渡りながら、冷えた白ワインにピクルス、チーズと生ハムも。良いね。バカンスだよ。
夢は膨らむが現実は厳しい。家からサンドイッチでも作って持って行こう。
地球の歩き方を頼りに情報収集。
いざ当日、ビビリながらもチェックインを済ませユーロスターに乗り込み、指定された席に座り出発の時を待つ。
まるで世界の車窓からを見ているかの様な風景に癒され揺られる事、2時間半程
途中、海底トンネル、ドーバー海峡を抜け、ロンドン、ウォータールー駅に到着。
流石に、英語圏、アナウンスも全て英語。入国審査もあり海外に来た感が増す。
ロンドン中心部迄移動し、円をポンドに替える為両替所を探す。町中には沢山有るがレートも様々。ぼられないよう迷いながらも、よさ気な所を探す。
ここに1冊のノートがある。
色々な場所に行ったとき、感じた事や思った事を箇条書きで書き綴ったノート。
1万円を換金すると39ポンドにしかならない。すげーポンド、ユーロより強い。
自販機のコーラが1本 1ポンド
と、記してある。
もちろん手数料やレートなど色々な要素は有るが、当時、パリで1万円を換金すると70ユーロ位だった。自分の勝手な感覚では、1ポンド=100円 1ユーロ=100円 例えば自販機でコーラを買うとすると、実際は日本円では1本100円 フランスユーロでは、約140円 イギリスポンドでは約250円 の換算となる。
物価の違いを痛感させられる。
又、色々と勉強になった。さて、今日の宿探しをしよう。
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何となくではあるが、仕事にも慣れはじめる。
もちろん作り方の違いや、道具、材料など初めての事も多いが、大まかにはお菓子作りの流れは同じだ。
基本、言われてもよく分からないので言われる前に動く。雑用を引き受け進んでやる。
働ける事が嬉しかった。1日1日大変だけど何だろう日本で働いていた時にはあまり感じた事のない充実感は。
帰り道、セーヌ川沿いを自転車で帰る。
観光客でいっぱいの遊覧船、旅行者ではない立場と孤独感が漂う気持ちの中で今夜は何を食べよう。限られた資金の中どう生きようかよく考えていたものだ。
そして、のらりくらり給料日、今までは現金支給。
が、流石、パリ、ジャン=ポール・エヴァン
小切手。
400ユーロ(日本円で5万円程)
見なれない紙切れを渡され、さてどうしたものか。
だが、ここでパリに住みはじめた頃、電気代等の支払いの為必死に開設した銀行口座が、役に立つ。
日本でも小切手の手続きなどしたことが無く、又新たな試練か、と思いつつも恐る恐る銀行窓口で差し出す。
学生ビザを提示しあっさり受理。後日、口座に振り込まれた。
何をするにも気を使う。
後日、無事お金が振り込まれたから良いようなもののドキドキだ。
嫌でも身につくポジティブ精神。
月に1度のささやかな楽しみは、給料日にはオペラ界隈の日本人街にあるラーメン屋に行く。自分にとっては高級品のラーメン(8ユーロ、1,000円位)をすすり、帰りに韓国系食材スーパーに立ちより紙パックの芋焼酎1.8L(12ユーロ1,500円位)を買い。満足げに帰路につく。
今思えば、この芋焼酎どこのメーカーの物かもよく分からず、くそ安く何が入っていたのかw
パリで純正の日本酒や焼酎など売ってはいるがなかなかお高い💦日本で買うときの3倍位はするだろう。
ワインだったら、フルボトルでも100円しないで買える物もある。
ただ、あの頃はそんな物でも焼酎が貴重で酒好きの自分には褒美だった(^^*)
気がつけば30回、お付き合い頂きありがとうございます!