このブログはフィクションです。ご想像にお任せ致します。
千里の道も一歩から、大器晩成、・・・。
都合の良い言葉を並べ、先の事など分からぬ時を過ごす。
連絡が来る当てもなく、もう捨てられているかも知れない。唯一の連絡先フランスにて購入した、いわゆるプリペイド式携帯。
鳴らない。
焦る気持ちもつのるが成す統べも無い。
んー、次なる一手を考えるか。
ここでプリペイド式携帯にも触れておこう。
携帯一つ買うにも勝負。店員と訳の分からぬやり取りをし、何とか購入。タバックと呼ばれる町中に点在する、日本で言う所のKioskにてチャージをする。
金額によって使える額が変わる。
例えば、
5ユーロ→5ユーロ
15ユーロ→18ユーロ分
30ユーロ→35ユーロ分
50ユーロ→65ユーロ分
100ユーロ→150ユーロ分
よくなけなしのお金を叩いて100ユーロチャージで使っていた。タバックにてカードを購入し、パスワードを入力して使用する。
日本に国際電話をかけよう物ならほんの数十分で終わるだろう。電話一つにも神経を使う。
プルルル・プルルル・プルルル
数日経った頃、携帯が鳴った!
勇気を振り絞り出てみる。
もしもし。
バリバリのフランス語で何か喋ってはいるが、全くもって理解不能。
たまにある間違え電話。
おいおい、止めてくれよ。
なかなか思う様には行かない。焦りと苛立ちの中時間だけは過ぎていく。
殺伐とした思いの中、又、携帯が鳴る。
又、さっきのおばちゃん。
だから違うって、電話を切る。
数分後、携帯が鳴った!
今度こそ!!
が、又さっきのおばちゃん。
もーしつこいね。又切ろうとしたその時、☆○¥※ジャンポール・エヴァン○☆¥$%。
ん、かすかにエヴァンと??
ここで初めて気づく。この方は恐らくジャン=ポール・エヴァンの事務員の方。
ジュマペール ユウヤ。
ありったけのフランス語で私はゆうやです。と
喋り続けるこのお方。
この場合、不採用の電話か、もしくは面接を受けに来い・・・。
なんとなーく、日時を言っている様にも聞こえる。が、憶測。さっぱり分からない。
ダコール(分かりました)
これ又、ありったけのフランス語で答える。
行動あるのみ、事務所のある店舗は分かっている。断りの電話なのかも知れないが乗り込む。
さっき電話をもらったゆうやですが・・・。
心の中ではこう言いたいが、ジェスチャーとこれ又ありったけのフランス語で伝える。
店員の方、困り顔でアトンション(ちょっと待って)
果たして・・・。
このブログはフィクションです。ご想像にお任せ致します。
さてさて、クレープリーでのアルバイト生活も2~3週間過ぎなんとなく、慣れ始める。
一応パリに住んでる。アルバイト生活もそれなりに順調。それなりに稼げれば、それ程悪くない・・・。
慣れとは怖いもの、どうでもいい優越感を抱き、もーこのままでいいや。
楽な選択が頭をよぎる。自分は何をしにここまで来たのか。
そして、今日も始まる自問自答。一人悶々と考える。
パリの菓子屋で働くにはどうしたら良いのか?
日に日に、焦る気持ちも強くなる。
ある時、何時もの様に立ち寄ったパリのオアシス、ブックオフ。
色々と日本語の書籍が並ぶなか、一冊の本が目に留まる。
某専門学校が発行したと思われる、料理人向けの参考書。フランス語の調理専門用語や仕事を探す際の手紙の書き方、などなど。
おーこれは使えそうだ。
例文に、〈私の名前は○○○○○です。日本の○○○○○○レストランで5年働いておりました。もっと色々な事を学びたいと思いフランスに来ました。〉
や、
〈私はあなたを尊敬しております。ぜひ、働かせて下さい。〉
など、嬉しい例文がずらり。
良いとこ取りの手紙を書く。
とりあえず、働かせて頂きたい旨を伝える。うまく伝わると良いが、
しかしながら、手紙を書いた所でどうすれば??
ここからは、当たって砕けろ精神。
働くならここ、心の中では決めていた店がある。
ショコラティエ ジャン=ポール・エヴァン
学生の頃、なけなしのお金を叩いて食べたチョコレート。美味かった。きっと凄い所で凄い人達が作っているのだろう。見てみたい。あわよくば働いて見たい。日本にもエヴァンはあるが、やはり本場のパリで。
夢を抱きつつも、ビビリながら恐る恐る、店に向かう。
門前払いか、軽くあしらわれるのか、
販売員にパトロンと言いながら手紙を託す。受け取ってはもらえたが、果たして・・・。