LA PORTE D’OR

店主のブログ〜

オカシナタビ 26 いざ!

2020.11.18

このブログはフィクションです。ご想像にお任せ致します。

千里の道も一歩から、大器晩成、・・・。

都合の良い言葉を並べ、先の事など分からぬ時を過ごす。

連絡が来る当てもなく、もう捨てられているかも知れない。唯一の連絡先フランスにて購入した、いわゆるプリペイド式携帯。

鳴らない。

焦る気持ちもつのるが成す統べも無い。

んー、次なる一手を考えるか。

ここでプリペイド式携帯にも触れておこう。

携帯一つ買うにも勝負。店員と訳の分からぬやり取りをし、何とか購入。タバックと呼ばれる町中に点在する、日本で言う所のKioskにてチャージをする。

金額によって使える額が変わる。

例えば、

5ユーロ→5ユーロ

15ユーロ→18ユーロ分

30ユーロ→35ユーロ分

50ユーロ→65ユーロ分

100ユーロ→150ユーロ分

よくなけなしのお金を叩いて100ユーロチャージで使っていた。タバックにてカードを購入し、パスワードを入力して使用する。

日本に国際電話をかけよう物ならほんの数十分で終わるだろう。電話一つにも神経を使う。

プルルル・プルルル・プルルル

数日経った頃、携帯が鳴った!

勇気を振り絞り出てみる。

もしもし。

バリバリのフランス語で何か喋ってはいるが、全くもって理解不能。

たまにある間違え電話。

おいおい、止めてくれよ。

なかなか思う様には行かない。焦りと苛立ちの中時間だけは過ぎていく。

殺伐とした思いの中、又、携帯が鳴る。

又、さっきのおばちゃん。

だから違うって、電話を切る。

数分後、携帯が鳴った!

今度こそ!!

が、又さっきのおばちゃん。

もーしつこいね。又切ろうとしたその時、☆○¥※ジャンポール・エヴァン○☆¥$%。

ん、かすかにエヴァンと??

ここで初めて気づく。この方は恐らくジャン=ポール・エヴァンの事務員の方。

ジュマペール ユウヤ。

ありったけのフランス語で私はゆうやです。と

喋り続けるこのお方。

この場合、不採用の電話か、もしくは面接を受けに来い・・・。

なんとなーく、日時を言っている様にも聞こえる。が、憶測。さっぱり分からない。

ダコール(分かりました)

これ又、ありったけのフランス語で答える。

行動あるのみ、事務所のある店舗は分かっている。断りの電話なのかも知れないが乗り込む。

さっき電話をもらったゆうやですが・・・。

心の中ではこう言いたいが、ジェスチャーとこれ又ありったけのフランス語で伝える。

店員の方、困り顔でアトンション(ちょっと待って)

果たして・・・。

 

 

 

 

 

 

 

オカシナタビ 25 勝負

2020.09.08

このブログはフィクションです。ご想像にお任せ致します。

さてさて、クレープリーでのアルバイト生活も2~3週間過ぎなんとなく、慣れ始める。

一応パリに住んでる。アルバイト生活もそれなりに順調。それなりに稼げれば、それ程悪くない・・・。

慣れとは怖いもの、どうでもいい優越感を抱き、もーこのままでいいや。

楽な選択が頭をよぎる。自分は何をしにここまで来たのか。

そして、今日も始まる自問自答。一人悶々と考える。

パリの菓子屋で働くにはどうしたら良いのか?

日に日に、焦る気持ちも強くなる。

ある時、何時もの様に立ち寄ったパリのオアシス、ブックオフ。

色々と日本語の書籍が並ぶなか、一冊の本が目に留まる。

某専門学校が発行したと思われる、料理人向けの参考書。フランス語の調理専門用語や仕事を探す際の手紙の書き方、などなど。

おーこれは使えそうだ。

例文に、〈私の名前は○○○○○です。日本の○○○○○○レストランで5年働いておりました。もっと色々な事を学びたいと思いフランスに来ました。〉

や、

〈私はあなたを尊敬しております。ぜひ、働かせて下さい。〉

など、嬉しい例文がずらり。

良いとこ取りの手紙を書く。

とりあえず、働かせて頂きたい旨を伝える。うまく伝わると良いが、

しかしながら、手紙を書いた所でどうすれば??

ここからは、当たって砕けろ精神。

働くならここ、心の中では決めていた店がある。

ショコラティエ ジャン=ポール・エヴァン

学生の頃、なけなしのお金を叩いて食べたチョコレート。美味かった。きっと凄い所で凄い人達が作っているのだろう。見てみたい。あわよくば働いて見たい。日本にもエヴァンはあるが、やはり本場のパリで。

夢を抱きつつも、ビビリながら恐る恐る、店に向かう。

門前払いか、軽くあしらわれるのか、

販売員にパトロンと言いながら手紙を託す。受け取ってはもらえたが、果たして・・・。

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