LA PORTE D’OR

店主のブログ〜

オカシナタビ 14 よし!パリに出よう!

2017.08.31

このブログはフィクションです。ご想像にお任せ致します。

プロエルメル生活も早い物で半年。

職場の仲間にも恵まれ、何となく流れが分かって来た気もするがやはり何か足りない。

ずるずるとこの町にいるよりはパリに出よう。

色々考えると気が重い。住む所の確保。仕事探し。

地方に居ながらパリの部屋を探すのはなかなか難しい。

日本人向けに発行されている情報誌を頼りに部屋を探すが、当然安くて良い部屋は直ぐに埋まってしまい思うようには行かない。

何とか話をつけ、次回パリに行くときに部屋を見せてもらう約束をし、数件物件を見たが即決は難しい。プロエルメルに戻って又今度。と言う訳には行かない。大抵、3日は待ちます。ご希望でしたらご連絡下さい。礼金1ヶ月分先払いでご用意下さい。信用など無い。金が物を言う世界。

 

そうは言ってもなかなか決めきれず。手付金の事や引っ越しの心配。パリで働くあるいは住むためにはしっかりとビザが必要。笑えてくるぐらいの不十な自由。色々と情報収集する中で学生ビザを取得しアルバイト名目で働くやり方が横行しているらしい。

つまり、日本でフランスの学生ビザを取得し語学の勉強の為に渡仏し、アルバイトをしながら学校に通う。なるほどこれで行こう。その為には日本でビザを申請する必要がある。

帰ろう日本へ。

 

オカシナタビ 13 クリスマス

2017.07.17

このブログはフィクションです。ご想像にお任せ致します。

良くも悪くも、ここプロエルメルのブーランジェリーパティスリーで渡仏後初めてのクリスマスを迎える事となる。

当日、朝2時出勤。が同僚のミカエルが来ない。3時過ぎようやくの出勤。するとここでまさかの出来事が起こる。警官が2人続けて入って来るではないか。ついに、来るべき時が来た終演。強制送還か・・・。就労ビザなど無い。

シェフと何やら話している。真剣な表情だ。ヤバイ・・・。この隙にトイレの窓から逃げるべきか、部屋に戻れば張られているかもしれない。このままパリまで出れば何とかなるか。いやバス停もヤバイだろう。気分はハリソン・フォード、ダム底に飛び込みたい位だ。短時間で様々な事が頭をよぎる。

よりにもよって、クリスマス・・・。

恐る恐る、隙間から厨房を伺う。すると、シェフと警官が万遍の笑みで話しているではないか???

後から聞けば、遅刻のミカエルが黒いパーカーでフードをかぶり猛ダッシュしていた所を警官に怪しまれ、後を追って来たらしい。おいおいミカエル。寿命がちちんだぜ。

そんな、こんなでクリスマスイブも無事終了。

そして、クリスマス。朝2時に出勤しひたすら作る。日本では当たり前の様に徹夜に突然する流れだが、なんせフランスで初めてのクリスマス勝手が分からない。17時を過ぎた頃かオーナーが、シャンパン片手に現れる。

ポン!グラスを手渡され飲めと(笑)マジ?苦笑いで見返すとウインク。隣にある、イタリアンレストランからピザが届く。皆でつつき、飲む。日本では有り得ない光景だがいつもの事らしい。酔っぱらったシェフが「ユウ(自分)飲め!」とシャンパンを注いでくれる。調子に乗って飲む。

楽しむ事を忘れない人達。本当、可愛がってもらったと思う。

Copyright 2015(c) La porte d’or All right reserved.